207人間も動物も休憩できる雪景色の札幌

桑村 亜実(北海道大学農学部)

要旨:3つの札幌らしさを取り入れた花壇にする。初めに、人口100万人を超え、年積雪500cm以上を誇る世界でも珍しい降雪都市であるという点を、一面の白い草花と雪の中を行き交う人々の足跡のパネルで表現する。次に、札幌市にある円山動物園や街中でエゾシカやエゾリス、稀にヒグマが見られ、動物と共存しているという点を、動物の足跡をかたどったパネルで表現する。最後に、札幌のランドマークである札幌テレビ塔を花壇中央にパネルを置いて表現する。以上のように、一面の白い草花のなかに人と動物の足跡のパネルを置き、札幌らしさを詰め込んだ花壇にする。また、花壇の全体の形状を山型にし、熊本の阿蘇山を彷彿とさせる立体的な表現とする。

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207人間も動物も休憩できる雪景色の札幌」への8件のフィードバック

  1. 札幌の動物と共存をコンセプトにするのは面白いと思いました。一方、やはりテレビ塔は直接的すぎて、ちょっとしたデコレーションケーキのようにみえてしまいます。また、共存というテーマなので、あまり境界をはっきりと分けるのではなく、人間が住んでいるところに小動物やときには熊さえも入ってきているということを表現できたほうが札幌らしいと思いました。例えば、境界を円で区切るのではなく、もう少し曖昧にして植栽の切り替え等で表現できればよいのではないかと思いました。

    • 貴重なご意見ありがとうございます。

      テレビ塔について、既存の建築物を具体的に伝える手法として模型(又は平面パネル)を選ばせて頂きました。札幌都心部の象徴としてやはり花壇に加えたいイメージですので、デコレーションだけに見えないよう、サイズや材質など工夫したいと思います。
      動物と人間の境界については、「市街地にクマ出没」というネガティブなニュースを連想させないよう、あえて縦置きレンガで居住区を仕切るデザインに致しました。反面、札幌の魅力の1つとしてリスなどの小動物が人間の生活圏でも見られることが挙げられます。ですので、はっきりとレンガだけで区切るのではなく、あえて植栽で覆ったり、所々に間隔を空けてつながりも持たせたりするなど、「共存」というテーマがより伝わりやすく造りたいと思います。

      頂いたコメントから、さらに深くデザインを考える機会となりました。
      ありがとうございます。

  2. 札幌の要素をふんだんに盛り込んだ花壇デザインで子ども達が喜びそうです。
    阿蘇山を彷彿させるマウンドは阿蘇山の観光スポットの一つ「米塚」のスコリア丘がデザインモチーフでしょうか?阿蘇山全体なのか米塚なのかによって、マウンド形状の作り方も変わってくると思います。
    札幌周辺の自然環境を動物の足跡で表現するデザインも工夫が感じられましたが、円山動物園まで持ち出さなくても良かったのではないでしょうか。
    マウンド上部にテレビ塔があり都市部を表しています。その近くにヒトの足跡、都市部から遠いマウンド裾野に動物の足跡という距離設定はヒトと野生動物の関係を感じますが、この配置はテレビ塔(都市部)と自然域の関係を意図してデザインしたものでしょうか。

    • 貴重なご意見ありがとうございます。

      花壇全体の形状についてですが、山型をイメージしており、具体的な場所については考えに至っておりませんでした。この度調べさせていただき、ご指摘の通り「米塚」のように均整の取れたスコリア丘の方が当初のイメージにも合致しておりました。均整な円錐の斜面と、頂上のくぼみが伝わる設計にしたいと思います。
      円山動物園についてですが、札幌市民に広く親しまれており市街地からアクセスも良い動物園ということで、野生動物だけでなく様々な動物に触れあれる点を札幌の特色としてお伝えしたいと思い、概要に記載いたしました。
      配置についてですが、ご指摘通りヒトの住む都市部と野生動物の住む郊外の関係を意識したものになっております。ポスター中央部「道都・さっぽろ」に記載通り、頂上に都市部・裾野に自然域と、放射状に広がりをもたせてデザインしております。

      頂いたコメントから、よりデザインを深めることができました。ありがとうございます。

  3. 野生動物が息づく街というのはかなりユニークな要素だと思います。もっとここに焦点をあてて、植栽も野生動物の気配を感じさせるような植栽にこだわって見ると他に類のない都市であることが際立つかもしれないと思いました。(市内に野生動物にヒグマまで含まれるのは熊本の方には理解されないかもしれません)

    • 貴重なご意見ありがとうございます。

      今回のデザインでは足跡で野生動物の気配を表現させて頂きましたが、ご指摘通り、植栽にもこだわるとよりテーマが伝わると感じました。野生を連想させるワイルドプランツを用いるなど、さらにアイデアが広がりました。ありがとうございます。

  4. 米塚は、草原と人との関わりの象徴的存在です。単に形が似ているから取り入れたということでは、熊本の人にとっては違和感をおぼえることでしょう。そこは慎重に考えたほうがいいと思います。
    熊本での展示なら、無理に札幌を演出するのではなく、北海道と熊本繋がりを出した方がいいと思います。阿蘇外輪山の風景は北海道に勝るとも劣らないものがあります。(元阿蘇市民)

    • 貴重なご意見ありがとうございます。

      米塚についてですが、形が似ているからという説明だけでは確かに違和感を覚えられることが考えられます。垂直的・平行的な広がりによる都市と郊外の表現のために山型にした、という点もあわせてお伝えしたいと思います。また、札幌を演出した理由についてですが、この全国都市緑化フェアは、全国から花壇を出展するものとなります。ですので、他の市町村との差別化を図るためにも、「札幌らしさ」を強調したデザインにいたしました。阿蘇に住まわれていた方の意見、参考になりとても勉強になりました。ありがとうございます。

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