221都市公園における外国人による利用状況―札幌市大通公園を事例に―

葉 羽容(北海道大学国際広報メディア・観光学院)

要旨:近年、日本の都市公園では公園活性化の取組みが見られる。地域交流の場の他に、住民以外の利用者にも一つの観光地として提供される。また、外国人観光客というインバウンドによる利用が増加していたことも分かった。都市公園には観光の役割がこれからも高まっていくと考える。都市公園について、住民の利用形態の研究が行われてきたが、本研究では外国人利用者に注目する。札幌市大通公園を事例に、意識調査と写真分析両方を用いて、今までの外国人利用者による利用形態と景観認識を明らかにしたい。外国人利用者という外部者の「まなざし」を通じて、都市公園の観光分野での捉え方を把握し、日本の公園の魅力について考えたい。

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221都市公園における外国人による利用状況―札幌市大通公園を事例に―」への8件のフィードバック

  1. 面白い調査報告ありがとうございます。
    都市公園の観光利用が都市公園内の利用にとどまらず、都市や地域全体ににどのような影響を及ぼすかを含めてご検討いただけるとよいと思いました。

    • 太田様

      コメント、ありがとうございました。
      利用者の行動がどのような影響を与えたかについては、
      考えたことない視点で、結論の部分でこれを踏まえて考えていきたいです。
      ご意見ありがとうございました。

      ちなみに、アンケート調査で、札幌市に対するイメージも質問したが、
      「雪景色」の次に、「公園・緑地が多い」が2番目として多く認められました。
      公園での体験が地域に対するイメージに強くつながっていると考えます。
      また、イベントのため、繰り返し訪問した観光客も調査で見られました。
      大通公園で既に行政が実施しているかもしれませんが、
      イベントを通じて、2回目以降の訪問意向を喚起するほかに、
      変わる四季と共に、地域の文化と特徴を発信できる機会にもなると考えます。

  2. 北海道教育大の村上と申します。基本的な質問で申し訳ありません。「google cloud vision APIのタグ認識」とは具体的には、どんな機能なのでしょうか。教えてください。 また、分析結果では、最も多かったSkyについて触れられていないませんが、何か理由があるようなら教えてください。

    • 村上様

      コメント、ありがとうございました。
      「google cloud vision apiのタグ認識」については、画像内のオブジェクトをAIで認識できる機能です。
      ビッグデータがあれば、手動で一つ一つ確認する必要はなく、
      機械学習を通じて効率的に画像分析を行う方法です。
      今回の調査ではpythonを利用し、分析結果がそこで反映されました。

      よろしければ、公式サイトで無料で試すことができるので、
      ご覧いただければと思います。

      また、「sky」についてですが、
      今回は公園で何が注目されるか、被写体に焦点を当てたいため、
      背景となる空は大半の写真に写っており、機械学習で多く認識されたが、
      調査のポイントではないため、あえて触れていませんでした。

  3. 都市公園を住民以外の利用者からとらえるという視点が興味深く感じました。
    既に調査分析もされていますが、意識調査から「イベントが再訪問意向になる」とのことですが、イベントによる差異(時期、内容、規模など)はどのように影響しているでしょうか?
    また、「外国人による景観認識の特徴と相違点」(研究背景と目的)とは日本人、住民との相違点かと思いますが、これまでの分析からどのような結果が想定されるでしょうか?

    • 篠宮様

      コメント、ありがとうございました。
      まずは1つ目の質問について回答いたします。
      「次回体験したい活動」という設問に、複数選択で全てのイベントを選択肢にしました。
      詳しい結果について、「雪まつり」が6割近くの意向で、
      続いて12月の「クリスマス市」と「ホワイトイルミネーション」が5割の人に選ばれました。
      その次、「夏まつり」(36%)と「花フェスタ」(22%)になります。
      もちろん知名度や国の休暇にも関係しますが、
      季節の設問と同じに、「冬」と「夏」のイベントが台湾人観光客に好まれる事が分かりました。

      そして2つ目の質問についてですが、大変申し訳ございませんが、
      今回の調査で日本人住民との比較は実施していないので、
      ポスターであげた目的の部分が適切ではないと思います。
      今後の課題に変更させていただきます。

      なお、現在は写真の構図分析を実施しており、一つの発見があります。
      多くの写真では、明確な主体がなく、空間全体の調和を重視している傾向があります。
      その中に、住民も一つ空間全体の要素として、大部分の写真に出たことが見られました。
      住民との相違点とは言えませんが、外国人の視点で、
      住民という人々の姿が、わざと写真に入れるぐらい、景観認識で一つ重要な要素だと言える、と現段階は考えております。

  4. 北海道大学農学部3年の上杉と申します。

    私の知識や経験が無いだけかもしれませんが、写真の被写体をタグ付けし集計することで人の公園への認識を調べるという方法が、新鮮で面白いなと感じました。
    こちらの調査では台湾人の方へのアンケートで意識調査をされていますが、出身国によって結果が変わるのか気になりました。

    ただの一感想ですので、返信不要です。
    外国人から見た都市公園について、とても勉強になりました。

    • 上杉様

      コメント、ありがとうございました。
      「写真投影法」の先行研究に関して、GIS、構図等、様々な分析や統計方法が出てきますが、
      今回はインターネット上から写真を収集し、膨大なビッグデータなので、
      参考文献の「google cloud vision apiのタグ認識」を使ってみました。

      アンケート調査が台湾人観光客に限っている点について、
      自分自身もより多くの観光客から声を聞ければと少し残念だと思います。
      そのため、写真分析であえて「大通公園」と「odori park」、2つのキーワードを使って、
      国籍をこだわらず、欧米とアジアからの写真を収集しました。
      今後の課題として、直接に現地で観光客に調査するのも必要だと思います。

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