210地域人材育成を見据えた施設マネジメントにおける「知」の共有に関する研究

髙橋 丈留(室蘭工業大学工学部)

要旨:現在,地方では人口減少による地域コミュニティの衰退や,ライフスタイルの変化に伴った住民ニーズの多様化などの課題の解決に向けて,コミュニティ形成のための「場」の創出及び地域課題解決に資する地域人材育成を見据えた施設マネジメントが注目されている。 地域人材育成により,各アクター間で「知」を共有し,課題解決に向けた新たな「知」を共同体として創出することで,地域特有の課題解決が期待できると考えられる。そこで本研究では,「知」の形成の原点である「共感」による人的な紐帯に着目し,人的ネットワークと「知」の共有との関係を明らかにすることで,今後の施設マネジメントの方向性について検討する。

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210地域人材育成を見据えた施設マネジメントにおける「知」の共有に関する研究」への8件のフィードバック

    • ご意見ありがとうございます。
      「場」の評価に関しては,まず「場」を「空間」の特性とプログラムに分解します。そして,「空間」の特性を把握するため,調査対象地の図面を収集し,図面をメッシュ化することで、「植生」「標高」「傾斜」等の観点から対象地をいくつかのゾーンに分類します。さらに,プログラムの現状の土地利用等から「空間」の特性とプログラムの関係を整理します。そして,例えば,特定のゾーンのみでしか行えないプログラムや場所を選ばずに活動できるプログラムが明らかになると予想しています。

  1. 地域人材育成で成功例の多いふぉれすと鉱山をケーススタディとされたことで、良質な基礎データが得られたと思います。
    分析が難しそうな研究ですが、人的な紐帯に着目して人的ネットワークと知の共有との関係を明確にする手法で、アンケートからのテキストマイニングおよび共起ネットワークと人材の把握から分析される際に、人材間の適正(好き嫌い)に関するファクターは含まれるのでしょうか。
    人材育成では悩ましい事が多いので、研究の中で人材サンプルの人格をどのように扱っているのか興味を持ちました。

    • 質問ありがとうございます。

      本研究では,3段階の関係性を利用していることから,実際に「知」の形成の流れを考察する関係性においては,人材間の適正(好き嫌い)が含まれていないと予想されます。
      しかし,公式の社会的階層(チームのリーダーである)や非公式の社会的階層(人望があつい)などは「知の共有」に影響していると考えられるため,考慮していこうと考えています。

  2. 人的ネットワークと「知」共有を明らかにするなかに、場の関係性も含めた難しく、興味深い研究テーマと感じました。
    その人的ネットワークと「知」の共有を明らかにするなかで、「場」や「場の接続」の果たす役割・機能や影響などはどのようなものでしょうか?

    • 質問ありがとうございます。

      ある特定の「場」でしか形成できない「知」や,「場の接続」によってひろがる人的ネットワークによって「知の共有」が促進されるなどを予想しています。

  3. 人的ネットワークの見える化は森林総研の八巻さんが礼文でされたものがあります。それからは、人間関係がはっきり現れるため問題点もはっきりわかりました。ただし人間関係は理屈だけでは改善しません。その結果は承知していましたが、結局手つかずのままでした。研究を研究だけに終わらせないために、どう活用するかを合わせて考えてみてください。

    • ご意見ありがとうございます。

      ご指摘のとおり,分析結果を考察する際,机上の空論にとどまらないよう,実際のマネジメントでどう活用していくのかまで含めて考察していこうと思います。

      また,お話に合った森林総研の八巻さんの研究は大変参考になると思うので,確認させて頂きたいと思います。

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