10月5日(土)に2019年度日本造園学会北海道支部大会が下記の通り開催されました。
会場の北海道大学農学部には、113名の参加者が集まり、研究・事例報告や講演、シンポジウムなどが行われました。
日時:10月5日(土)9:45-17:30
場所:北海道大学農学部
主催:公益社団法人 日本造園学会北海道支部
共催:一般社団法人 ランドスケープコンサルタンツ協会北海道支部、一般社団法人 北海道造園緑化建設業協会
午前に行われた研究・事例報告では、口頭発表7件、ポスター発表27件の発表がありました。
午後は、北海道支部総会に続き、昨年度の日本造園学会賞(事業・マネジメント部門)を受賞したNPO法人ガーデンアイランド北海道の理事・事務局長の有山忠男氏より、「ガーデンアイランド北海道の取り組み」と題して講演いただきました。「北海道を美しい庭園の島にしよう!」を合い言葉に始まったガーデンアイランド北海道の16年に及ぶ活動の経緯やガーデンツーリズムの推進に向けての今後の展望などをお話しいただきました。
シンポジウムは「グリーンインフラとしての身近な緑」をテーマに、趣旨説明のあと、九州産業大学の山下三平氏より、「あまみず社会の適正技術としてのグリーンインフラ:地域・風土に根差した分散型水管理の試み」と題し、福岡で実践されている分散型水管理社会への取り組みを中心に基調講演をいただきました。
次に、東京農業大学の福岡孝則氏からは、「グリーンインフラを活かした都市・地域の再編集」と題し、海外を含めたグリーンインフラの紹介やLivable City(住みやすい都市)に向けた戦略として、グリーンインフラの機能を活用することなどについて提言されました。
事例報告では、横浜市の河岸茂樹氏より、グリーンインフラの活用を進めている横浜市の先進事例としてグランモール公園(みなとみらい地区)の事例等を報告いただきました。続いて、札幌市の中林光司氏より、姉妹都市であるポートランド市を参考にしながらレインガーデンに取り組んでいることを報告していただきました。
パネル・ディスカッションは、4名の講演者に加え太田広支部長(土木研究所)も参加し、北海道大学の松島肇氏のコーディネートで進められました。グリーンインフラの取り組みが一部にとどまっている中、グリーンインフラの機能評価やエビデンスの積み上げが求められること、小さな取り組みを大きくつなげていく必要があること、グリーンインフラを作ることが目的ではなく、グリーンインフラを使ってどのような社会を形成するかが重要であることなど、グリーンインフラの社会実装に向けた課題などについて議論を深めることができました。
大会のあと行われた交流会では、研究・事例報告口頭発表とポスター発表の優秀賞(学生部門、一般部門)などの表彰が行われました。詳細については、後日、ウェブサイト及び日本造園学会誌で報告する予定です。
最後に、発表、講演いただいた皆様をはじめ、参加者の皆様、企画運営や広報にご協力いただいた皆様、及び、ご後援いただいた国土交通省北海道開発局、環境省北海道地方環境事務所、北海道、札幌市、公益社団法人日本都市計画学会北海道支部、NPO法人ガーデンアイランド北海道など関係の皆様に深く感謝申し上げます。