225メッシュシートを被覆した箇所のオオイタドリの地下茎の生育状況

佐藤 厚子(国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所)ほか

要旨:生育が旺盛で草丈が高く葉の面積が大きく面状に空間を遮るなど、通行上の安全確保の課題があるオオイタドリについて、メッシュシートの被覆によって生育を抑制する方法を検討してきた。本調査では,メッシュシートによる被覆箇所と被覆しない箇所でオオイタドリの地下茎を測定し比較した。その結果、調査箇所ではオオイタドリの地下茎の生育範囲はメッシュシートの有無にかかわらず地表面から深さ45cmであった。また、メッシュシートにより被覆することで、地下茎は被覆しない場合の半分以下の長さと質量になり、メッシュシート被覆により地下茎が減少し、オオイタドリの生育を抑制する効果があることを確認できた。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

224北海道南部における海浜周辺の都市化とハマヒルガオ訪花昆虫群集の関係

川野 勇樹北海道教育大学函館校教育学部国際地域学科)ほか

要旨:ハマヒルガオ(ヒルガオ科)は自家不和合性であり、訪花昆虫に種子生産を依存している。本研究では、ハマヒルガオの訪花昆虫群集を調査し、海浜周囲の土地利用や都市化との関係を考察することを目的に研究を行った。海浜周囲の都市化の程度が異なる函館市近郊の3箇所の海浜において、6月半ばから7月半ばにかけて訪花昆虫を調査した。現時点では未同定個体もあるが、27種の訪花昆虫が記録されており、全3箇所で記録された種はセイヨウオオマルハナバチ(外来種)及びエゾコマルハナバチ(在来種)であった。また、各地点でしか確認できていない種も複数存在した。今後、更に種の同定及び分析を進めて、都市化とその関係について考察する。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

223街路樹空間が都市の植物種多様性保全に活用可能か?

雲山 一葉北海道教育大学函館校教育学部国際地域学科)ほか

要旨:都市の生物多様性保全は全世界的な喫緊の課題である。先行研究では街路樹空間(植枡)においても多くの野生植物が記録され、都市における植物の種多様性に貢献していると考えられているが、研究事例は少ない。そこで、函館市において、街路樹空間が野生植物の生育地として活用可能かについて検討することを目的とした研究を行った。函館市の道路脇の街路樹空間を調査し、外部から移入・定着した木本植物の種名、被度、植枡サイズや位置を野外調査で記録し、定着種のリスト作成を行った。今後は、緑地からの距離や植栽樹種、管理方法などの違いから街路樹空間に移入・定着可能な最適条件を明らかにするための分析を行う予定である。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

222路面間隙に海崖生植物群落は成立するか?

池田 瞬哉北海道教育大学函館校教育学部国際地域学科)ほか

要旨:人工構造物である路面間隙が海崖生植物の生育地となり得るかを明らかにすることを目的とした研究を行った。調査地域は北海道南部の国道228号線沿い(松前郡松前町内約10㎞の区間)で、20217月に当地域の34地点(長さ10m)で路面間隙に生育する植物を線状被度法により調査した。その結果、2150種の維管束植物を記録した。ラセイタソウ、ハマオトコヨモギ、ハマボッスなどの海崖生植物が記録された。海崖地に近い地点の多くで海崖生植物が多く記録され、海崖地から距離の離れた地点では海崖生植物は記録されなかった。以上より、路面間隙は海崖生植物の生育地として機能しているが、海崖からの距離には限界があると考えられた。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

221都市公園における外国人による利用状況―札幌市大通公園を事例に―

葉 羽容(北海道大学国際広報メディア・観光学院)

要旨:近年、日本の都市公園では公園活性化の取組みが見られる。地域交流の場の他に、住民以外の利用者にも一つの観光地として提供される。また、外国人観光客というインバウンドによる利用が増加していたことも分かった。都市公園には観光の役割がこれからも高まっていくと考える。都市公園について、住民の利用形態の研究が行われてきたが、本研究では外国人利用者に注目する。札幌市大通公園を事例に、意識調査と写真分析両方を用いて、今までの外国人利用者による利用形態と景観認識を明らかにしたい。外国人利用者という外部者の「まなざし」を通じて、都市公園の観光分野での捉え方を把握し、日本の公園の魅力について考えたい。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

220鉄道キャンペーンポスターから読み取る旅行イメージに関する研究

周 シュ唯(北海道大学国際広報メディア・観光学院)

要旨:1970年代のディスカバージャパンは日本全国的でブームになり、国鉄のイメージが刷新された。数多くの目的地を観光化に導いたとも言われる。経済高度成長期という時代的な背景のもとで、団体旅行から個人旅行の傾向も見られ、新しい旅行の形式が提示されたと言われる。鉄道の旅だけではなく、社会全体に大きなインパクトを与えていた 。一方で、JRグループを含む鉄道会社も新たな鉄道キャンペーンを開催し続けている。本研究は、ディスカバージャパン時代と今の時代における旅行のイメージを鉄道キャンペーンから読み取る。鉄道を主役とする旅は人々にどんな価値を提供し、そこから社会的文脈における旅行に対する意識がどのように変化しているのかを明らかにすることを目的とする。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

219歴史市街地観光における「地域らしさ」に関する研究 ―ハルビン市中華バロックを事例として―

孔 令士(北海道大学国際広報メディア・観光学院)

要旨:中国の現状からみると、多くの都市は、画一的なまちづくりにより、都市の個性が失われている。良好な景観の形成を進めるためには、その地域の「地域らしさ」を把握することが重要である。本研究では、中国ハルビン市に位置する「中華バロック」歴史市街地を事例として、「地域らしさ」を感じさせる街路景観の特徴に対し、地域住民が持つ印象を把握することを目的とする。「地域らしさ」が観光創造で活用でき、さらに中華バロック歴史街区の魅力をアピールすることが期待される。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

218観光農園における風景イメージに対する研究

鄧 ケイ林(北海道大学国際広報メディア・観光学院)

要旨:本研究は観光客の眼差しに注目し、農園の景観に対する人々の観賞ニーズと現実の格差を解明しようと試みる。風景イメージスケッチ手法を用いて被験者が描く観光農園の画像を基に、農業景観の認識の抽出・把握を行い、人に求められる農園の景観特徴の解明を目的とする。画像データの収集には、IT技術会社NVIDIAが開発したスケッチ風景画像変換ソフト「GauGAN」を使って、被験者のイメージに近い画像を得て、自然・農業景観対する心象抽出能力を、先行研究より向上させることができると予想される。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

217旅行者による地域社会圏の再構築に関する研究

張 宜欽(北海道大学国際広報メディア・観光学院)

要旨:ポストモダニズムが流行している現代に、まさに主客関係が既に曖昧化されている時代である。しかし、ホストにとって、ゲストは常に見知らぬ人であり、信頼できない人であろう。どうすればその境界線をなくすのか。本研究は、「住む」ことをベースとする地域社会圏の理念をもとに、「住まない」旅行者をステークホルダーに加えて、まちの「ふるまい」を繋がりとして、観光まち育ての育みの試みである。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

216住民にとっての潜在的な地域資源の発見及びその役割・価値の評価に基づいた保全方策に関する研究

出口 嵩人(室蘭工業大学工学部)

要旨:近年,歴史的であるが法令により保全されない建造物の開発行為等による消失が見受けられ,住民がその状況を懸念する場合がある。他にも樹木の伐採等,地域資源の開発行為に対し住民の反対が起きる例もある。このような地域資源は,住民にとって潜在的な地域資源と位置づけられるが,住民により評価が異なるため保全が困難である。しかし,潜在的な地域資源には,住民の地域愛着の向上等の役割やその役割に応じた価値があると考えられ,その保全は,その役割や価値の維持に寄与すると考えられる。そこで本研究では,住民にとっての潜在的な地域資源を発見,視覚化し,また,その役割や価値の評価に基づき保全方策を検討することを目的とする。

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。